地球上に存在する国々との交流の中で、計量についても一定の基準が必要となりました。それがOIML規格です。分銅も、それに基づいて作られています。
分銅の素材による特徴の違いについて
分銅は、質量を測る際に用いられますが、求める精密さにより素材を選定する必要があります。主な素材は3種類あり、ステンレス、真鍮製(クロームメッキ仕上げ)、鋳鉄製に分けられます。ステンレス製は、メッキなど表面に加工が無いので質量変化の心配が少ないことが特徴です。安全性が高いことに加えて、腐食もしにくい素材です。その分、比較的コストは高くなります。
続いて真鍮製(クロームメッキ仕上げ)は、メッキ加工処理をしているので落下時の衝撃やぶつけた反動でメッキがはがれてしまう恐れがあります。更に腐食してしまう可能性があり、管理と取り扱いには注意が必要です。ステンレスに比べてコストが低いことも特徴です。
最後に鋳鉄製の特徴です。塗装がはがれやすく、加えて磁気を帯びやすいので質量が変化する可能性があります。低コストであることが鋳鉄製の利点です。 このように素材の違いにより、質量変化の安全性が高い物が比較的にコストが高くなります。また、素材によっては、付加することが出来ない等級もあるので、選定の際には用途に合う物を探すようにしましょう。
分銅には、形状による特徴もあるので、合わせて知っておくとはかりなどの調整に役立つでしょう。一番多く見られる形状は、円筒型です。精密な測定やひょう量の小さなはかりの点検に使用されます。板状は、円筒型よりも質量が小さくなり、より細かな測定をすることが可能です。精密な測定の他にもはかりの感度確認に使用します。
ただし1gに関しては、円筒型で代用出来ます。枕型の特徴は、他の形状とは違い持ち手がついています。積み重ねが簡単で、大型のはかりや台型のはかりの点検に使用します。増し重り型にはズレ防止の為に上下が凹凸の形をしていて積み重ねが出来ます。主に吊り下げ式のはかりの点検に使用します。はかりの点検や精密な検査をする際には、どの分銅を使用するのか予め決めておくことで余計なコストをかけずに済みます。
誤差が多少出ていても影響しない質量ならば、低コストの鋳鉄製を使用するなどの工夫をしましょう。ただし精密な測定が目的でわずかな誤差が出ると障害が生じる場合には、安全性の高いステンレス製で尚且つ質量の小さい円筒型と板状の分銅を利用するなどしなければなりません。また、使用する個数を絞ることで必要のない質量の分銅を購入するコストをカットすることも大切です。JCSS校正を行った特級が付いている物を使用すると、誤差が判明しているので表示されている値との比較がしやすくなります。
Q.校正に使用する分銅の重さは分解しても平気なのでしょうか?
校正に使用する分銅は、重いものになると動かすのも大変です。そのため、分解したいと思われがちですが、これはあまりおすすめできません。
分銅の形状と特徴について
分銅の形状は円筒形のものや板状のものの他にも、計測できる重さによって、まくら型などがあり、保存方法も全く違います。
分銅の用途別種類:基準分銅
分銅には用途別にいくつかの種類があります。基準分銅というのは産業において質量の基準となるものですので、長年にわたって利用されています。