分銅の用途別種類:基準分銅

分銅は一般家庭にはあまり縁がありませんが、おおよその使い方などは理科の実験棟で体験したことがある人も多いのではないでしょうか。近年では、コンピューター制御の精度の高い電子はかりを利用している企業がほとんどですので、こういったアナログなアイテムを使うことがほとんどないと考えている人もいますが、実際には今でも非常に需要のある品となってます。

分銅には用途によっていろいろな種類がありますが、中でも基準分銅というのは計量法で定められた、質量の基準となるものです。制度等級によって特級から産休まで四段階に分かれており、長年にわたって産業界で活用されています。日常的な計量には電子はかりを使用することが多いですが、電子はかりといえども経年劣化によるパーツの破損やほこり、腐食などによって制度が狂ってしまうことがありますので、定期的な点検や公正が必要になります。

なお、こういった特定計量器の検定や検査を行うことが許されているのは、計量器メーカーなどの計量関係事業者や公的機関、計量士などの専門的な知識と技術、資格を持っているものに限られています。また、計量検定所等公的機関のみが、この検査によって器差が公差内にあることを証明をすることができます。

基準分銅の中でも、計量法が改定された時に、従来の補助分銅に代わって正式に制度化されたシステムがあります。非自動はかりの器差検査に用いるため、基準分銅と同等以上の精度に調整を行った実用基準分銅を使用することができるというものです。実用基準分銅を検定や検査に使用する場合には、その調整や管理の方法等については質量標準管理マニュアルを作成し、告示に定める者に承認を受ける必要があります。

このほかにも、計量法上の特定計量器としてのものもありますが、誤差等級のクラスが低く、計量器の検査用途には用いられていません。そのため、一般的な企業ではあまり見かけないものです。

更に目的別分類として、国際法定計量機関(OIML)の勧告に基づいたものもありますが、日本国内ではあまり利用されていません。一方、JCSS認定事業者制度のもとに、認定事業者が発行するJCSSの校正証明書付きのものは、国内では一般的に事業所の標準器という位置づけになっています。このように、一口に分銅といってもいろいろなものがありますが、いずれも素材や東急などによって数年に一度は校正を行い、適切な管理をする必要があります。