分銅の形状と特徴について

分銅の形状は円筒型が一般的で、学校の実験などでも使用されていますが、計測する物体の重さが1ミリグラム単位の場合には板状のものが使用されています。基本的に手で使用することができないので、ステンレス製のピンセットなどを使って、天秤の上に置かれるのですが、円筒状のものは保存をする場合にベルジャーと呼ばれる容器に入れて保存して、板状のものはシャーレの中に保存をします。

分銅は取り扱いの方法や保存方法によって、誤差を生じる割合が異なるので、精密な計測をする場合には手袋をはめて、手の皮脂や分泌物が付かないように心がけると共に、使い終わった後には表面のホコリや汚れをシリコンクロスでふき取らなければなりません。板状のものに関しては石英版の上にのせてからシャーレに入れることで、外気に触れるのを防いで、しっかりと固定することができます。

石英版の価格は非常に高くなっていて、12万円程度で購入することができるのですが、小学校などの実験の場合には分銅と同じ容器に入れられていることが一般的で、このような保存方法の場合には表面に汚れなどが付きやすいので精密な計測をすることができません。薬品などを取り扱う場合には分銅方と板状が使用されるのですが、工場などで使用される場合には、まくら型や円盤状のものが使用されていて、1000キログラム単位で計測することができるようになっています。

分銅の形状によって、使用する道具の形も違っていて、円筒状のものはピンセットを用いますが、200グラム以上の場合にはグリップという道具を使って持ち上げます。また一番重たいタイプのものはクレーンで持ち上げられるので、外周部分に爪のような突起が取り付けられていて、運びやすくなっています。これらの製品には必ず重さなどが刻印されているのですが、熱による刻印は凹凸が出来るので汚れが付きやすくなってしまうので、レーザーを用いてマーキングされるのが一般的となっていて、この場合には凹凸が無いので、汚れが付く心配が無く、接触をしないでマーキングすることができるので、精密さを損ないません。

素材はステンレス製やアルミ製、真鍮製となっていますが、用途に応じて素材を使い分けていて、工業用の場合には静電気などが生じないように加工されたステンレス製品が使用されています。一般的にはステンレス製やアルミ製のものが用いられていますが、その理由としてはサビが付きにくいことや汚れが落ちやすいことなどがあります。